AFM(Atomic Force Microscope)は、鋭利な探針を試料表面に近づけ、探針と試料の間に働く原子間力を検出することで、ナノスケールの凹凸を三次元的に測定する装置です。探針は柔軟なカンチレバーの先端にあり、試料との相互作用力によりカンチレバーが微細にたわみます。このたわみをレーザー光で検出し、フォトダイオードを通じて信号に変換することで、高精度な表面情報を得ます。
| 特性 | AFM | SEM | OM |
|---|---|---|---|
| 試料の導電性 | 不要 | 必要 | 不要 |
| 試料前処理 | 不要 | 金属コーティング | 通常不要 |
| 観察環境 | 大気中・液中可能 | 真空下 | 大気中 |
| 表面高さ情報 | 定量的に取得可能 | 定性的のみ | 定性的のみ |
AFMは垂直方向の分解能が0.1nm未満という極めて高い精度で微細構造を測定できます。また、同一試料を繰り返し測定した際にも高い再現性を発揮します。特にタッピングモードを使うことで試料へのダメージを最小限に抑えつつ、精密なデータを取得可能です。
| 項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 分解能 | 垂直・水平方向の精度 |
| 測定範囲 | 試料サイズや測定対象エリア |
| ステージの柔軟性 | 試料サイズ・形状への対応 |
| ソフトウェア | 操作性や解析能力 |
| 環境対応 | 液中や特定環境下での測定可否 |
装置選定時には、メーカーの技術サポート体制や、測定事例を豊富に掲載したアプリケーションノートの充実度が重要です。特に導入後のトラブル対応や定期的なメンテナンス支援を受けられるかを確認しましょう。
原子間力顕微鏡(AFM)を用いれば、半導体製品などのナノ材料を高精度で、かつ壊さずに測定することが可能です。
液中や大気中などさまざまな環境で測定したい場合や、製造過程での故障原因を突き止めたい場合など、使用目的は多岐にわたるでしょう。
ここでは、測定用途別におすすめの原子間力顕微鏡(AFM)を紹介します。
自社サンプルに最適なAFM装置を選ぶためには、まずサンプルの材質や表面特性、測定の目的(精度重視か高速測定か)、および測定環境(大気中、真空、液中)を明確にする必要があります。具体的には、次のようなポイントを整理しておきましょう。
これらの要件を整理したうえで、装置メーカーに具体的な条件を伝え、対応可能なモデルを絞り込んでいくことが重要です。
AFM装置は高価で専門的な技術が必要なため、導入前には必ず各メーカーのデモンストレーションや技術サポートを積極的に活用しましょう。実際のサンプルを用いたデモ測定を通じて、
を実際に確認できます。また、サポート体制(トレーニングやアフターサポートの内容)を確認することで、装置導入後のトラブル対応や運用方法についても安心できます。
AFMは表面粗さ測定において、非破壊でナノスケールの高精度な測定が可能な有力なツールです。しかし、最適な結果を得るためには、目的に合った装置選びが非常に重要です。装置導入前に、自社サンプルの特性や測定条件を明確にし、メーカーのデモやサポートを活用して適切なAFM装置を選定しましょう。適切な準備と確認により、導入後の効率的で正確な測定が可能になります。
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国際的に認知され、世界中の研究施設や企業で広く使用されている原子間力顕微鏡(AFM)は、高品質で信頼性が高い証明となります。
そのため、海外拠点を多数持ち、手厚いメンテナンスやサポート体制をもつメーカーを選ぶことは重要です。
ここでは海外拠点が多く、公式HPにサービスやサポートについて記載されているメーカーの原子間力顕微鏡(AFM)をセレクト。次の3製品を、導入のご参考にチェックしてみてください。
【選定基準】
2023年10月20日時点、Google検索で「原子間力顕微鏡 メーカー」で検索結果100位までに表示された会社と、「AFM メーカー」で検索結果100位までに表示された会社、合計22社を調査。その中から、原子間力顕微鏡(AFM)の取り扱いがあり、サービスやサポートについて公式HPに明記しており、海外拠点数が多い大手グローバル企業3社をピックアップ。