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原子間力顕微鏡(AFM)と光学顕微鏡(OM)の違いについてまとめています。それぞれの装置の仕組みや計測方法、メリット、観察に適したサンプル、取り扱い時の注意点などを比較しています。
光学顕微鏡は、観察対象物に光を当てて、その透過光や反射光を対物レンズおよび接眼レンズによって拡大することで観察します。 その構造は、観察対象物の近くにある「対物レンズ」、使用者が覗き込む「接眼レンズ」、観察対象物にコントラストを与える「照明」、光の通り道である「光路」の4つから成っています。 光を通さない試料や無色透明の試料に対しては、「明視野観察」「微分干渉観察」など、観察対象に合わせた方法で観察していきます。
原子間力顕微鏡(AFM)は、探針で試料の表面を走査することで、凹凸などの表面形状を測定していきます。大気中はもちろん、液中での測定も可能。観察範囲は~30μmで、μmよりも小さいnmにも対応しています。
光学顕微鏡では色情報が得られるので、試料の持つ色をそのまま観察することができます。大気中での観察のため、水分を含むサンプルも観察可能です。また、光学顕微鏡では、0.2μm~1mmまでの物体を数十倍から1,500倍の大きさまで拡大して見ることができますが、サブミクロンオーダーの観察には不向きです。
当サイトでは製品開発や基礎研究、品質管理のための「原子間力顕微鏡(AFM)3選」を紹介しています。以下リンクに掲載している、各社AFMの特徴や活用事例なども、ぜひご参考ください。
観察する対象によって、使用する顕微鏡の種類は異なり、生物顕微鏡では生体組織の薄切切片や細胞、細菌などを、金属顕微鏡では金属や半導体などを観察することができます。
変色や腐食など、試料の色情報が重要な場合や、光学顕微鏡による観察後に他の分析手法と併用する可能性があり、試料に何らかの処理が行えないという場合、真空状態やビームに弱い試料や水を含む試料などの観察に適しています。
観察対象となるサンプルをステージの上に載せ、倍率を最低倍率にして、サンプルのギリギリにまで対物レンズを近づけます。接眼レンズを覗きながら、ピントが合うまで対物レンズを上昇。 ピントが合ったと思った部分よりもわずかに上昇させたら、今度は対物レンズを下降させ、ピントが合ったと思った部分よりもわずかに下降させます。この操作を繰り返し、上昇・下降の幅を少しずつ小さくしながらピントを合わせていきます。
メリット | 表面形状だけでなく、試料の物性の解析も可能。観察環境の制限が少なく、液中での観察もできます。大気中の測定でき、試料の前処理は不要。分解能が高く、超高倍率の三次元測定ができます。 |
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得意な測定 | 原子間力顕微鏡(AFM)の観察範囲は~30μm。nmにも対応可能です。原子間力を検出して像を得るため、導電性のない試料も観察することができます。高さ方向の計測も得意としています。 |
注意点 | 低倍率や大きな凹凸のある試料の測定は難しいとされています。試料走査のための探針は極めて小さく、デリケートで壊れやすいため、交換や設置時の取扱いには注意が必要です。 |
メリット | 試料の持つ色をそのまま観察することができます。大気中での観察のため、水分を含むサンプルも観察可能。前処理が不要で、試料に変化を加えることもなく、試料へのダメージもありません。 |
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得意な測定 | 色情報が得られるため、変色や腐食など、試料の色情報が必要な観測や、水を含むサンプルの観測が可能。生物顕微鏡では生物の生体組織の細胞や細菌、金属顕微鏡では金属や半導体などの観察ができます。 |
注意点 | 光学顕微鏡は焦点深度が浅いため、高低差がある場合、拡大するほど焦点が合わなくなります。倍率が1500倍程度までなので、サブミクロンオーダーの観察には向いていません。 |
原子間力顕微鏡(AFM)は、μmよりも小さいnmにも対応しているため、ごく小さな物体の観測も可能です。
光学顕微鏡(OM)が観測できるサンプルのサイズは0.2μm~1mmほどですが、色情報を得ることができるため、変色や腐食の確認など、サンプルの色情報が重要な場合に適した観測方法です。
光学顕微鏡(OM)への原子間力顕微鏡(AFM)の後付けは可能です。実際に後から取り付け可能な原子間力顕微鏡(AFM)を紹介いたします。
今ある光学顕微鏡(OM)と組み合わせて、欠陥のある箇所を原子間力顕微鏡(AFM)で詳細に計測することができます。内蔵されている対物レンズの倍率は8倍です。
光学観察と原子間力顕微鏡(AFM)測定のスムーズな切り替えも実現しています。
国際的に認知され、世界中の研究施設や企業で広く使用されている原子間力顕微鏡(AFM)は、高品質で信頼性が高い証明となります。
そのため、海外拠点を多数持ち、手厚いメンテナンスやサポート体制をもつメーカーを選ぶことは重要です。
ここでは海外拠点が多く、公式HPにサービスやサポートについて記載されているメーカーの原子間力顕微鏡(AFM)をセレクト。次の3製品を、導入のご参考にチェックしてみてください。
【選定基準】
2023年10月20日時点、Google検索で「原子間力顕微鏡 メーカー」で検索結果100位までに表示された会社と、「AFM メーカー」で検索結果100位までに表示された会社、合計22社を調査。その中から、原子間力顕微鏡(AFM)の取り扱いがあり、サービスやサポートについて公式HPに明記しており、海外拠点数が多い大手グローバル企業3社をピックアップ。