タンパク質はほぼすべての生命現象を担う基本的な物質です。筋収縮や細胞分裂などの生物学的プロセスはタンパク質の働きによるものですので、この動態を直接観察することはさまざまな研究に繋がります。
タンパク質の特性を調べるにあたって原子間力顕微鏡(AFM)は非常に有効です。AFMはナノスケールでタンパク質の構造や動きを直接可視化できます。具体的には高速AFMでタンパク質分子のリアルタイムでの動きを観察できるほか、液中の構造を調べたりすることは、タンパク質の機能やメカニズムを理解するのに役立ちます。
AFMは抗原抗体反応やタンパク質の結合・リガンド受容体相互作用などのタンパク質間における相互作用を直接観察できる場合があります。例えば、タンパク質の立体構造の変化や結合部位の特定などができますが、免疫プロセスを調べる装置としてAFMが最適かどうかは対象や目的によって異なるので注意が必要です。
生物物理学者がAFMを活用した事例では、「タンパク質の働く仕組みを知りたい」という好奇心から高速AFMの開発を行っています。例えばモータータンパク質である「ミオシンV」がアクチンフィラメント上を動く姿を捉えた映像は圧巻であり、この技術は現在さまざまな生物学的プロセスを可視化するために活用されています。ただし「真核細胞の膜」のような極めて柔らかい観察対象では、AFMの探針が接触することで大きく変形してしまうので、ぼやけた低解像度の画像しか得られないという課題も残されています。
近年の高速原子間力顕微鏡(AFM)の進展によって、生理溶液中におけるタンパク質の構造やその時間発展、分子の離散集合などといったダイナミクスをリアルタイムで可視化することができるようになってきました。これまでにさまざまな計測手法によって実験事実の積み重ねを行い推定されてきた事実を動画として検証することで、タンパク質の動的な振る舞いを介した機能発現の分子機構を直接的・直感的に把握できるようになっています。
AFMの技術は年々発展を遂げており、タンパク質以外にもさまざまな観察・分析に使用されるようになっています。活用されているケース・場面を事例を通して知ることにより、効率的・効果的な活用のヒントにしてください。
国際的に認知され、世界中の研究施設や企業で広く使用されている原子間力顕微鏡(AFM)は、高品質で信頼性が高い証明となります。
そのため、海外拠点を多数持ち、手厚いメンテナンスやサポート体制をもつメーカーを選ぶことは重要です。
ここでは海外拠点が多く、公式HPにサービスやサポートについて記載されているメーカーの原子間力顕微鏡(AFM)をセレクト。次の3製品を、導入のご参考にチェックしてみてください。
【選定基準】
2023年10月20日時点、Google検索で「原子間力顕微鏡 メーカー」で検索結果100位までに表示された会社と、「AFM メーカー」で検索結果100位までに表示された会社、合計22社を調査。その中から、原子間力顕微鏡(AFM)の取り扱いがあり、サービスやサポートについて公式HPに明記しており、海外拠点数が多い大手グローバル企業3社をピックアップ。