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1980年代後半から始まった、原子間力顕微鏡(AFM)による生体試料の観察。最初に生体分子の観察に使用した例は、1988年Science誌に報告されたDNAの観察でした。ここでは、生体分子を生きたまま、サブナノメートルレベルで観察できる原子間力顕微鏡(AFM)の情報を紹介しています。
走査型トンネル顕微鏡(STM)によるDNA観察では、得られた画像が確実にDNAかどうかを判断することが困難な場合もありました。さらに、空気中と水中ではDNAの状態が違うため、測定結果にも影響するという問題がありました。しかし、原子間力顕微鏡 (AFM) では、生理学的条件に近い状態、つまり水を含んだ自然な状態でも分子構造の解明ができるため、DNAの機械的特性や強度の測定が可能になります。また、形態の測定、特定の蛋白と結合するDNAの部位などを検出するためにも利用することができます。
原子間力顕微鏡 (AFM) は、サンプルに対して固定や脱水といった処理を必要とせず、サンプルの動的変化をモニターできる装置です。そのため、正確な計測が可能であり、高分解能のイメージング機能により表面形状なども観察することができます。例えば、DNAが集中的に含有している核膜も、質量や厚みなどの重要な特性を測定することで、様々な解をもたらしてくれます。また、この測定により形態を詳細にイメージングすることも可能なため、従来の光学顕微鏡では困難であった、高い分解能で観察を行うことができます。
当サイトでは製品開発や基礎研究、品質管理のための「原子間力顕微鏡(AFM)3選」を紹介しています。以下リンクに掲載している、各社AFMの特徴や活用事例なども、ぜひご参考ください。
DNAオリガミは、表面のすべての位置で異なる位置情報を持っているため、表面に様々な分子で修飾することが可能です。こうした手法に基づいて、DNAオリガミで描かれた名画「モナリザ」は、人の髪の毛の太さの1/100。1㎛にも満たない小さな絵ですが、ほほ笑みをたたえた口元までが見事に再現されており、そのモナリザの撮影に成功したのが原子間力顕微鏡(AFM)です。さらに、水溶液界面の利用により、溶液中でマイクロメーターサイズの動的なプロセスの可視化にも成功しています。
ナノレベルでの測定ができる原子間力顕微鏡 (AFM) は、DNAの観察に使用できるため、医療分野では疾患などの解明に活用されています。また、意外と身近な所での活用事例として、私たちに一番身近な食品分野があり、品種の表示事項の真偽を確認することに活用されています。さらに、食品素材や生体のDNA分子構造も解析できるため、遺伝子組み換え食品を確認するための検査などにも活用されています。
国際的に認知され、世界中の研究施設や企業で広く使用されている原子間力顕微鏡(AFM)は、高品質で信頼性が高い証明となります。
そのため、海外拠点を多数持ち、手厚いメンテナンスやサポート体制をもつメーカーを選ぶことは重要です。
ここでは海外拠点が多く、公式HPにサービスやサポートについて記載されているメーカーの原子間力顕微鏡(AFM)をセレクト。次の3製品を、導入のご参考にチェックしてみてください。
【選定基準】
2023年10月20日時点、Google検索で「原子間力顕微鏡 メーカー」で検索結果100位までに表示された会社と、「AFM メーカー」で検索結果100位までに表示された会社、合計22社を調査。その中から、原子間力顕微鏡(AFM)の取り扱いがあり、サービスやサポートについて公式HPに明記しており、海外拠点数が多い大手グローバル企業3社をピックアップ。