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分子の機能メカニズムを理解するための有用なツールとなっている原子間力顕微鏡(AFM)の利用や「フィルム材料」などの研究、開発分野での活用事例などについてまとめています。
原子間力顕微鏡(AFM)では、走査型トンネル顕微鏡(STM)では観察不可能だった、ポリプロピレンフィルムの観察なども可能になります。また、マイクロ、ナノスケールで、フィルムの構造や特性を測定し、高分解能な形状イメージング機能により3Dイメージを提供。さらに、データをすばやく分析し、構造に関する詳細な測定データも提供してくれます。
サブナノメートルからマイクロメートルの分解能で、フィルム材料の特性を評価するためには、計測器の性能が重要になりますが、原子間力顕微鏡(AFM)の測定能力は非常に高く、原子分解能で三次元の形状情報を得ることができます。高分子薄膜の膜厚測定などにも活用できるため、民間・行政機関問わず様々な研究分野で導入されています。
また、原子間力顕微鏡(AFM)のもうひとつの機能、分子の機械特性の測定があります。ピコニュートンを検出できるため、特殊な液晶フィルムなどの測定も可能となります。
当サイトでは製品開発や基礎研究、品質管理のための「原子間力顕微鏡(AFM)3選」を紹介しています。以下リンクに掲載している、各社AFMの特徴や活用事例なども、ぜひご参考ください。
ブロック共重合体は、それぞれのブロックが単一高分子の性質を持っているため、フィルムを形成した場合に、ミクロ相分離を生じるという問題がありました。そのため、ミクロ相分離構造を分子レベルで正確に把握する必要があり、構造解析はなかなか進みませんでしたが、2010年に東北大学の研究員が、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて共重合体フィルムの正確な表面形状と、ナノ力学物性を観察したという報告が公開されています。
このように、原子間力顕微鏡(AFM)は、ナノメートルスケールの高分解能で、物質表面の微細な構造の可視化や凹凸面の測定することが可能であり、早い段階から各分野での活用事例があります。
参照元:東北大学公式HP(https://www.wpi-aimr.tohoku.ac.jp/jp/aimresearch/highlight/2010/20101025_000794.html)
スマートフォンの普及率は年々増加し、それに併せて表面に貼る保護フィルムも機能が多様化しています。このような、指紋防止及び反射防止機能を持つフィルムについて、手触りのような感覚を粗さという観点から定量評価するために、原子間力顕微鏡(AFM)の分析を利用している事例があります。また、スマートフォンやタブレット端末のタッチパネルなどの透明電極に不可欠の部材として使われる透明導電性フィルムなども、需要が急増する中で、原子間力顕微鏡(AFM)の活用が進んでいる分野です。
参照元:一般財団法人材料科学技術振興財団公式HP(https://www.mst.or.jp/casestudy/tabid/1318/pdid/478/Default.aspx)
国際的に認知され、世界中の研究施設や企業で広く使用されている原子間力顕微鏡(AFM)は、高品質で信頼性が高い証明となります。
そのため、海外拠点を多数持ち、手厚いメンテナンスやサポート体制をもつメーカーを選ぶことは重要です。
ここでは海外拠点が多く、公式HPにサービスやサポートについて記載されているメーカーの原子間力顕微鏡(AFM)をセレクト。次の3製品を、導入のご参考にチェックしてみてください。
【選定基準】
2023年10月20日時点、Google検索で「原子間力顕微鏡 メーカー」で検索結果100位までに表示された会社と、「AFM メーカー」で検索結果100位までに表示された会社、合計22社を調査。その中から、原子間力顕微鏡(AFM)の取り扱いがあり、サービスやサポートについて公式HPに明記しており、海外拠点数が多い大手グローバル企業3社をピックアップ。