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「エクソソーム」を原子間力顕微鏡(AFM)で計測する

目次目次

エクソソームは、細胞間の情報伝達に重要な役割を果たすナノサイズの細胞外小胞です。その構造や機能を詳細に理解するためには、高解像度かつ非侵襲的な観察手法が求められます。高速AFM(原子間力顕微鏡)は、エクソソームの動態や構造をリアルタイムで観察できるため、近年多くの研究で活用されている手法です。

「エクソソーム」の特性を調べたい場合

エクソソームの形状やサイズ、表面マーカーの分布などの物理的特性を詳細に解析するには、高解像度の観察手法が必要です。AFMは、ナノメートルスケールでの表面構造の可視化が可能であり、非染色・非固定での観察ができるため、エクソソームの自然な状態を保ったまま解析できます

また、AFMは生きた状態に近い環境で観察できるため、エクソソームがどのように動いたり形を変えたりするのかを、その場でリアルタイムに見ることも可能です。

「エクソソーム」への免疫プロセスを調べたい場合

エクソソームが免疫系に与える影響や、免疫細胞との相互作用を解析するには、エクソソームの表面マーカーや含有物質の動態を観察する必要があります。AFMは、エクソソーム表面のタンパク質や脂質の分布を高解像度で可視化できるため、免疫プロセスにおけるエクソソームの役割を詳細に解析することが可能です。

さらに、高速AFMを用いることで、エクソソームと免疫細胞との相互作用をリアルタイムで観察し、時間とともに変化する構造や動態を捉えることができます。これにより、例えば炎症反応や免疫抑制のメカニズムの一端を明らかにする手がかりにもなります。

当サイトでは製品開発や基礎研究、品質管理のための「原子間力顕微鏡(AFM)3選」を紹介しています。以下リンクに掲載している、各社AFMの特徴や活用事例なども、ぜひご参考ください。

原子間力顕微鏡(AFM)
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「エクソソーム」における原子間力顕微鏡(AFM)の活用事例

がんの“ひそかな通信手段”を可視化して、新たな診断や治療に

私たちの体の中では、細胞同士がエクソソームを使ってメッセージをやり取りしています。がん細胞もこの仕組みを利用して、自分の存在を免疫から隠したり、周囲の細胞を操ったりしていることが分かってきました。こうした「がんのひそかな通信」を解明するには、エクソソームの構造を詳しく調べる必要があります。

そこで役立つのがAFM(原子間力顕微鏡)です。AFMは、まるで精密な顕微鏡カメラのように、ナノサイズのエクソソームの表面をリアルタイムで撮影し、形や表面の模様まで詳細に観察できます。これにより、がん細胞が放出するエクソソームの特徴を見つけ出し、将来的には「血液1滴からがんの早期発見ができる」ような診断技術につながる可能性があります。

お薬を運ぶ“天然のカプセル”の品質を見極めるために

エクソソームは、薬を体内の目的地まで安全に届ける“天然のカプセル”としても期待されています。しかし、すべてのエクソソームが同じ構造をしているわけではありません。効果的に薬を運べるエクソソームかどうかを見極める必要があります。

AFMは、このエクソソームの表面や形の違いを、精密に見分けることができます。たとえば、薬をしっかり包み込めるエクソソームはどんな形をしているのか、環境の変化(熱やpHなど)でどのように壊れてしまうのか、といった性質の観察も可能です。こうした研究は、エクソソームを使った新しい治療法の開発や、品質の安定した医薬品の実現に役立ちます。

エクソソーム研究におけるAFMの重要性

AFMは、エクソソームの構造や機能を詳細に解析するための強力なツールであり、疾患の診断や治療への応用において重要な役割を果たしています。

今後、AFM技術のさらなる発展と他の分析手法との統合により、エクソソーム研究の新たな展開が期待できるでしょう。

サポートがしっかり受けられる
「原子間力顕微鏡(AFM)」3選

国際的に認知され、世界中の研究施設や企業で広く使用されている原子間力顕微鏡(AFM)は、高品質で信頼性が高い証明となります。 そのため、海外拠点を多数持ち、手厚いメンテナンスやサポート体制をもつメーカーを選ぶことは重要です。
ここでは海外拠点が多く、公式HPにサービスやサポートについて記載されているメーカーの原子間力顕微鏡(AFM)をセレクト。次の3製品を、導入のご参考にチェックしてみてください。

DriveAFM
(⽇本カンタム‧デザイン)
DriveAFM
画像引用元:日本カンタム・デザイン公式HP(https://www.qd-japan.com/products/driveafm/)
XYスキャン範囲|100µm×100µm
Zスキャン範囲|20µm
Zノイズレベル|30pm(0.03nm)
コントローラー性能(DAC)|28bit
  • 低ノイズ/低コヒーレントのSLD光源
  • ダイレクトドライブピエゾアクチュエータ(DPA)を採用
  • Wiley Analytical Science Award 2023 を受賞

「DriveAFM」の詳細と
性能を公式HPでみる

電話で問い合わせる

Park NX20
(パークシステムズ)
Park NX20
画像引用元:パークシステムズ公式HP(https://www.parksystems.com/jp/products/research-afm/large-sample-afm)
XYスキャン範囲|100µm×100µm
Zスキャン範囲|15µm
Zノイズレベル|30pm(0.03nm)
コントローラー性能(DAC)|20bit
  • 3D構造における側面傾斜角度の正確な測定
  • 高分解能電気計測モードを搭載
  • 低ノイズZ検出器による正確なAFMトポグラフィー

「Park NX20」の詳細と
性能を公式HPでみる

Dimension XR
(ブルカー)
Dimension XR
画像引用元:ブルカー公式HP(https://www.bruker-nano.jp/20200312154845)
XYスキャン範囲|90µm×90µm
Zスキャン範囲|10µm
Zノイズレベル|30pm(0.03nm)
コントローラー性能(DAC)|-
  • 独自のScanAsyst® 自動画像最適化技術を搭載
  • 材料・活性ナノスケールシステムの定量化が従来より簡単
  • 低ドリフトと低ノイズを提供

「Dimension XR」の詳細と
性能を公式HPでみる

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【選定基準】
2023年10月20日時点、Google検索で「原子間力顕微鏡 メーカー」で検索結果100位までに表示された会社と、「AFM メーカー」で検索結果100位までに表示された会社、合計22社を調査。その中から、原子間力顕微鏡(AFM)の取り扱いがあり、サービスやサポートについて公式HPに明記しており、海外拠点数が多い大手グローバル企業3社をピックアップ。

高分解能AFMを個人所有する愛好家を直撃!
高分解能「AFM」

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